骨軟化症の症状
骨軟化症※1は、何らかの原因で骨が硬くならずに柔らかくなってしまう疾患です。
このページでは、骨軟化症でみられる症状を紹介します。
※1 医学的には成長軟骨帯閉鎖以前に発症したケースを『くる病』、成長軟骨帯閉鎖後に発症したケースを『骨軟化症』と呼びます。
骨軟化症でみられる主な症状
骨が痛い
骨軟化症の骨の痛みは、骨折や偽骨折(骨を横断しない骨折で、激しい運動によらず日常生活の中で起こる。また、治るのに時間がかかる)によって生じます。
骨軟化症で骨折が起こりやすい部位は、階段を降りるときの足の甲、寝返りを打ったときの肋骨周辺、(症状が進行した場合)歩いているときの股関節等であり、これらの部位で痛みを感じる骨軟化症の患者さんが多いです。
骨軟化症と似た症状をもっていて、最も区別がつきにくい疾患として、骨粗鬆症が挙げられますが、骨折・痛みが生じる部位が異なるため注意が必要です。
筋力の低下
筋力が低下するため、以下の症状がみられることがあります。
- 重い荷物がもてない
- 階段の昇り降りや起き上がるのがつらい
- (ひどい場合は)寝たきりになる
骨や関節、筋肉などに関連した症状
骨軟化症では、他にも骨や関節、筋肉などに関連した症状が現れることがあります。 骨軟化症は原因によって分類されていて、その分類によって現れる症状が一部異なります。どの原因にどの症状がみられるかなど詳細については、「くる病・骨軟化症の3つの原因と疾患」をご覧ください。
- 筋肉の痛み
- 関節の痛み・こわばり(動かすのが難しい)、関節に違和感を覚える
- O脚(内反膝)やX脚(外反膝)など、下肢(腰から足まで)に変形がみられる
- 足を引きずって歩く、バランスを取ろうと左右に揺れながら歩くなどの歩行異常がみられる
- 胸を形作っているが前に突き出るように変形する(鳩胸)
- 背骨が曲がるなどの変形がみられる
- 同年代の平均と比べて身長がかなり低い(低身長)
- 耳が聞こえにくい(難聴)
ケアが必要な歯の症状
一部の骨軟化症の患者さんは骨だけでなく歯がもろくなるため、歯の症状(歯ぐきが赤く腫れる、膿がたまる、ひどい虫歯)がみられることがあります。
歯は一生モノで、患者さんには日常的なケアや専門科(歯科)での管理が必要です。歯の症状及びケアについて詳しく知りたい方は、「FGF23関連低リン血症性くる病の患者さんが意識したい歯のケアについて」をご覧ください。
X線画像でみる骨軟化症の症状
骨軟化症でみられる骨折や偽骨折、O脚・X脚がどのような症状か、実際の患者さんのX線画像で紹介します。
(A~CのX線画像の提供:東京大学医学部大学院医学系研究科 難治性骨疾患治療開発講座 特任准教授、東京大学医学部附属病院 骨粗鬆症センター 副センター長 伊東伸朗先生。一部加工。転載禁止)
A:腫瘍性の骨軟化症の患者さん(男性、61歳)のX線画像
症状:①偽骨折(右大腿骨転子下)②骨折(左大腿骨頸部)③骨折(左大腿骨転子部)
B:X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症(XLH※2)の患者さん(男性、48歳)のX線画像
症状:O脚
※2 XLH:X-linked Hypophosphatemic Rickets/Osteomalaciaの略称
C:X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症(XLH)の患者さん(女性、42歳)のX線画像
症状:X脚
骨軟化症の症状に思い当たる方などは病院の受診を
骨軟化症の症状は整形外科領域などの疾患(骨粗鬆症や強直性脊椎炎、脊柱管狭窄症、慢性関節リウマチなど)でも現れるため、他の疾患と区別がつきにくいことや正確な診断まで時間がかかることがあります。これまでに紹介した症状に当てはまる方、骨軟化症ではない疾患と診断されたものの治療してもこれらの症状が改善しない方などは、病院を受診するなどしてみましょう。
この記事の監修ドクター
伊東 伸朗先生
- 東京大学医学部大学院医学系研究科 難治性骨疾患治療開発講座 特任准教授(研究室HP)
- 東京大学医学部附属病院 骨粗鬆症センター 副センター長

