くる病・骨軟化症に関する用語辞典

くる病・骨軟化症に関する用語辞典

あ行

アルカリホスフォターゼ(略称:ALP)

小腸の粘膜や胎盤、腎臓、肝臓、胆管、骨などに存在する酵素です。骨や肝臓・胆道などの疾患を診断する際に、この酵素の数値を調べることがあります。

遺伝子(いでんし)

親から受け継がれる顔や体型、性格などに関する情報のことです。ヒトはおよそ2万個の遺伝子を持っています。

か行

下肢(かし)

太ももからふくらはぎ、足先までの部分です。

関節リウマチ(かんせつりうまち)

本来は自分の体を守るはずの免疫が異常を起こすことで、関節の腫れや痛みを起こす疾患です。

強直性脊椎炎(きょうちょくせいせきついえん)

脊椎や骨盤に炎症が起きることで、腰や背中、お尻などに痛みやこわばりなどがみられます。症状が進行すると脊椎の可動域が制限されるため、前傾気味の姿勢になることが多いです。

指定難病の一つでもあります。

顕性遺伝疾患(けんせいいでんしっかん)

優性遺伝疾患を言い換えた用語です。

親から子へ受け継がれる1対(2本)の遺伝子のうち片方の遺伝子に変異があるだけで症状が出現する遺伝形式の疾患です。

これまで「優性」という表現が使われていましたが、言葉のイメージから「優れている遺伝子」と誤解されやすいことなどを踏まえ、日本遺伝学会が2017年に「優性」から 「顕性」への言い換えを発表しています。

高カルシウム血症(こうかるしうむけっしょう)/高カルシウム尿症(こうかるしうむにょうしょう)

血中のカルシウム/尿中のカルシウムの値が高い状態です。軽い場合は無症状であることが多いですが、この状態が続くと脱水や倦怠感、疲れやすくなる、腎機能が低下するなどの症状がみられます。

抗体(こうたい)

細菌やウイルスなど特定の物質を除去したり、物質の働きを阻害したりするために働くタンパク質です。

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)

閉経後や高齢などで骨の作られる量と壊される量のバランスが悪くなり、骨の量が少なくなったり、骨がもろくなったりして、骨折しやすくなる疾患です。

さ行

腎性骨異栄養症(じんせいこついえいようしょう)

腎臓の機能が低下することで、骨の石灰化がうまくいかなったり、骨量が減少したりする疾患です。

腎石灰化(じんせっかいか)

腎臓にカルシウムとリンによるハイドロキシアパタイトが溜まっている状態です。尿路結石の原因となることがあります。

腎不全(じんふぜん)

腎臓の機能が低下し、老廃物や電解質などの排せつなどの役割が果たせなくなってしまう状態です。

成長ホルモン(せいちょうほるもん)

大脳の下にある下垂体から分泌されるホルモンで、小児期には骨に作用して成長を促進させます。また脂肪の分解など、代謝に働きかけるホルモンでもあります。

脊椎関節炎(せきついかんせつえん)

関節や腱、靱帯などに炎症が起きて痛みや腫れがみられる疾患です。症状が現れる箇所は背骨や骨盤の関節などです。

石灰化(せっかいか)

骨や歯がカルシウムとリンによるハイドロキシアパタイトによって硬くなることです。また、体の一部分にハイドロキシアパタイトが溜まることも石灰化といいます。

潜性遺伝疾患(せんせいいでんしっかん)

劣性遺伝疾患を言い換えた用語です。

親から子へ受け継がれる1対(2本)の遺伝子のうち、2つの同じ遺伝子に変異があることで初めて症状が現れる遺伝形式の疾患です。

これまで「劣性」という表現が使われていましたが、言葉のイメージから「劣っている遺伝子」と誤解されやすいことなどを踏まえ、日本遺伝学会が2017年に「劣性」から 「潜性」への言い換えを発表しています。

た行

低カルシウム血症(ていかるしうむけっしょう)

血中のカルシウムの値が低い状態です。軽度の場合は無症状のことが多いですが、この状態が続くと手足や唇のしびれ(テタニー)、全身のけいれん、脳内の石灰化などが現れます。

低ホスファターゼ症(ていほすふぁたーぜしょう)

遺伝的な原因により血中のアルカリホスフォターゼ活性が低くなる状態で、指定難病の一つです。

石灰化障害などによりレントゲン検査では小児での骨端線の毛羽立ちなどのくる病様変化、骨変形などを認め、小児、成人において骨痛、筋痛、偽骨折(骨を横断しない骨折)、骨折などの骨軟化症の所見もみられます。

な行

尿細管(にょうさいかん)

腎臓にある組織の一つです。原尿(腎臓に送られた血液が糸球体でろ過されたもの)の通り道で、原尿からリンやカルシウムなど必要な物質を再度取り込み、不要なものは尿中に排せつします。

尿路結石(にょうろけっせき)

腎盂や尿管、膀胱にできる結石のことです。小さい結石は無症状のことが多いですが、大きい場合は結石が移動するときに痛みを伴うことがあります。

は行

ビタミンD受容体(びたみんでぃーじゅようたい)

腸管や腎臓、骨、副甲状腺などにあり、活性型ビタミンDと結合します。結合することで、活性型ビタミンDは血中のリンやカルシウムの値を維持するよう働くことができます。

副甲状腺機能亢進症(ふくこうじょうせんきのうこうしんしょう)

副甲状腺から分泌される副甲状腺ホルモンが過剰に分泌される状態です。

副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると、様々な作用で高カルシウム血症とそれに伴う高カルシウム尿症を起こし、尿量が増えることで脱水状態となり、疲れやすくなったり、イライラしやすくなったりします。また吐き気や嘔吐、食欲不振、口の乾きがみられることもあります。長い期間経過すると二次性の骨粗鬆症や腎機能障害をおこしてしまうこともあります。

変形性関節症(へんけいせいかんせつしょう)

関節軟骨のすり減りなどで骨が変形し、関節に痛みや腫れ、変形や可動域制限(動かす範囲が狭くなること)がみられることです。

ま行

なし

や行

優性遺伝疾患(ゆうせいいでんしっかん)

顕性遺伝疾患と同義語です。

親から子へ受け継がれる1対(2本)の遺伝子のうち片方の遺伝子に変異があるだけで症状が出現する遺伝形式の疾患です。

言葉のイメージから「優れている遺伝子」と誤解されやすいことなどを踏まえ、日本遺伝学会は2017年に「顕性けんせい」への言い換えを発表しています。

腰椎椎間板ヘルニア(ようついついかんばんへるにあ)

腰椎椎間板ヘルニアは、腰辺りにある椎間板が何らかの原因ではみ出し、神経を圧迫する疾患のことです。痛みやしびれなどがみられます。

椎間板とは脊椎(いわゆる背骨)の前方を指す椎体と椎体をつないでクッションの役割を果たしているものです。

ら行

リウマチ性多発筋痛症(りうまちせいたはつきんつうしょう)

原因のわからない痛みやこわばりが、首から肩、上腕、お尻から太ももにかけた筋肉に生じる病気です。

類骨(るいこつ)

骨が形づくられる中で、石灰化する前の柔らかい状態の骨のことです。

劣性遺伝疾患(れっせいいでんしっかん)

潜性遺伝疾患と同義語です。

親から子へ受け継がれる1対(2本)の遺伝子のうち、2つの同じ遺伝子に変異があることで初めて症状が現れる遺伝形式の疾患です。

遺伝学において「劣っている」という意味はありません。言葉のイメージから誤解を受けやすいことなどを理由に、日本遺伝学会が2017年に「潜性せんせい」への言いかえを発表しています。

わ行

なし

英数字

1α水酸化酵素(わんあるふぁすいさんかこうそ)

腎臓や腸管、副甲状腺、骨にある酵素の一つです。肝臓を通ってできた25水酸化ビタミンDに作用して、活性型ビタミンDを産生します。

25水酸化酵素(25すいさんかこうそ)

主に肝臓にある酵素の一つです。口から摂取したり日光浴によって肌近くで合成されたりしたビタミンDに作用して25水酸化ビタミンDを産生します。

CT(しーてぃー)

コンピュータ断層撮影法(computed tomography)の略称です。X線を使って、物体の断面や3Dの画像を得ることができます。

FGF23(えふじーえふ23)

線維芽細胞増殖因子23の英語名(fibroblast growth factor23)の略称で、骨にある細胞で作られて、血中に分泌されるホルモンの一つです。血中のリンを一定の範囲に調節する因子の一つで、「血中のリンを低下させる」働きがあります。

MRI(えむあーるあい)

磁気共鳴画像(magnetic resonance imaging)の略称です。電磁波(ラジオ波)を使って、物体の断面や3Dの画像を得ることができます。

この記事の監修ドクター

長谷川 行洋先生

長谷川 行洋先生

  • 東京都立小児総合医療センター 内分泌・代謝科 医師
  • 多摩北部医療センター 小児科 医師
伊東 伸朗 先生

伊東 伸朗先生

  • 東京大学医学部大学院医学系研究科 難治性骨疾患治療開発講座 特任准教授(研究室HP)
  • 東京大学医学部附属病院 骨粗鬆症センター 副センター長

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