くる病・骨軟化症のよくあるご質問

このページでは、皆さんがくる病・骨軟化症やその診断、治療などで知りたいこと、疑問に感じることなどをQ&A形式で紹介します。

よくある質問

くる病・骨軟化症に関するご質問

Q:くる病・骨軟化症ってどんな病気ですか。

A:くる病・骨軟化症は、骨が柔らかくなり骨の形が変わったり、痛みなどの症状が現れたりする病気です。

子どもで症状がみられた場合を「くる病」、大人でみられた場合を「骨軟化症」と呼んでいます。

くる病・骨軟化症とは

Q:くる病・骨軟化症には種類がありますか。

A:くる病・骨軟化症は、原因によって症状や治療法が異なります。主に以下の3つが原因として挙げられます。

  • ビタミンD不足
  • 体の中でビタミンDがうまく働かない
  • 腎臓でリンの再吸収がうまくいかない

また3.の中には、線維芽細胞増殖因子23(FGF23)というホルモンの過剰な分泌が原因となるFGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症という疾患があります。

くる病・骨軟化症の3つの原因と疾患

3つの原因のうち、くる病の症例の多くがビタミンD不足です。ビタミンDが体の中で働かないケースの頻度はまれで、腎臓でリンの再吸収に異常があるケースの頻度はごくまれといわれています。

Q:くる病・骨軟化症にはどんな症状がありますか。

A:くる病の主な症状はO脚やX脚、歩行障害、低身長・成長障害などが挙げられます。また骨軟化症は、骨の痛み、筋力低下、骨折・偽骨折ぎこっせつなどがみられます。

痛む箇所は階段を降りるときの足の甲、寝返りを打ったときの肋骨、歩いているときの股関節などです。他にもくる病・骨軟化症の原因によって現れる症状は異なりますので、詳しくは「くる病の症状」「骨軟化症の症状」をご確認ください。

Q:くる病はビタミンD不足が原因だと聞いたことがあります。ビタミンDをちゃんと摂っていれば発症することはありませんか。

A:くる病の原因の一つに、ビタミンD不足は確かにあります。日ごろからビタミンDを含んだ食材を適度に摂取していたり、適度に日光浴していれば、ビタミンD不足によるくる病を発症する確率は低くなります。ただし、くる病の原因の中には、体の中でビタミンDがうまく働かなかったり、腎臓でリンの再吸収がうまくいかなかい場合もあります。そうした場合は別の治療が必要です。

くる病・骨軟化症の3つの原因と疾患 くる病・骨軟化症の治療方法

Q:くる病・骨軟化症のことを調べていて、FGF23という単語を見つけました。このFGF23とはなんのことですか。

A:FGF23とは、線維芽細胞増殖因子23というホルモンの略称です。

このホルモンは骨にある細胞(骨細胞)で作られていて、血中のリンを低下させることでリンを一定の範囲に調節する因子の一つになります。

FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症とは

くる病・骨軟化症の診断に関するご質問

Q:くる病・骨軟化症が疑われる症状があります。病院を受診したいのですが、何科に行けばよいでしょうか。

A:まずはお子さんであれば小児科、大人の方であれば整形外科等を受診してみて、他の病気との鑑別をしてもらいましょう。受診する際は「正しい診断のための相談シート(くる病骨軟化症)」をご活用ください。

症状の確認や検査の結果、くる病・骨軟化症と診断された場合は、受診した医師と相談した上で、小児の場合、小児科でも内分泌を専門としている医師がいる施設、成人の場合、内分泌科(内分泌内科)がある病院への受診を検討してもよいでしょう。その際は検査結果をお持ちください。

Q:くる病・骨軟化症を診断する際、どのような検査が行われますか。

くる病・骨軟化症を診断する場合は、症状の確認のほか、採血して血液や尿を調べる生化学検査、レントゲン検査などの画像検査が行われます。

くる病・骨軟化症の診断

Q:子どもの身長が他の子と比べて低いように感じています。くる病でしょうか。

A:身長の伸びが遅い疾患は、くる病以外にも成長ホルモン分泌不全症性低身長やターナー症候群などがあります。病院を受診して診察、血液検査をすることで、これらの疾患と鑑別することができます。

くる病の症状 くる病・骨軟化症と間違われやすい疾患、似た疾患 くる病・骨軟化症の診断

Q:体が痛くて整形外科を受診し、ある病気と診断されて治療していますが、なかなかよくなりません。骨軟化症の可能性はありますか。

A:骨軟化症の主な症状は骨の痛みや筋力低下です。

症状だけみれば脊柱管狭窄症や骨粗鬆症、変形性関節症など様々な整形外科領域の疾患や慢性関節リウマチなど膠原病内科領域で診る疾患と間違われることがあります。こちらで紹介している「正しい診断のための相談シート(くる病骨軟化症)」を活用して、「」で診てもらうのもよいでしょう。

骨軟化症の症状 くる病・骨軟化症と間違われやすい疾患、似た疾患 くる病・骨軟化症の診断

くる病・骨軟化症の治療に関するご質問

Q:骨軟化症(もしくは子どもがくる病)と診断されました。どんな治療法がありますか。

A:くる病・骨軟化症の原因にはいくつか種類があり、治療法もそれぞれ異なります。詳しくは「くる病・骨軟化症の治療方法」をご覧ください。

Q:FGF23の過剰な分泌が原因となるFGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症と診断された場合、完治することはできますか。

A:FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症のうち、X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症(XLH*1)など遺伝性の疾患の場合は、経口薬(リン酸製剤や活性型ビタミンD製剤)の服用、または注射薬(FGF23に作用してその働きを妨げる薬)の投与で治療していきます。経口薬の服用や注射薬の投与による治療法でも症状をコントロールすることはできますが、原因となるFGF23の過剰分泌を完全に止める方法はないため、長期にわたって治療に取り組む必要があります。

骨軟化症のうち後天性の腫瘍性くる病・骨軟化症(TIO*2)は、原因となる腫瘍を周囲組織も含めて完全に取り除くことができれば、治療は終わります。腫瘍が取り除けなかったり、再発したりした場合は、遺伝性の疾患のケースと同様、経口薬の服用もしくは注射薬の投与を選択します。

くる病・骨軟化症の治療方法

*1 XLH:X-linked Hypophosphatemic Rickets/Osteomalaciaの略称
*2 TIO:tumor-induced rickets/osteomalaciaの略称

Q:くる病・骨軟化症を治療中、注意することはありますか。

A:経口薬を処方された場合、飲み忘れはできるだけ避けましょう。

また、腎臓でリンの再吸収がうまくいかないことが原因で生じるくる病・骨軟化症の場合、リン酸製剤を処方されることがありますが、1日に複数回(4〜6回)飲む必要がありますので、生活にうまくとりいれて習慣づけていきましょう。

また、くる病・骨軟化症は骨が軟らかくなっている状態です。体、特に足や股関節に過度な負担をかける運動は避けましょう。歯もむし歯や歯肉膿瘍しにくのうようになりやすい状態ですので、歯磨きを怠らないなどのケアが必要です。

FGF23関連低リン血症性くる病と診断された方へ FGF23関連低リン血症性骨軟化症と診断された方へ

Q:くる病・骨軟化症の治療を途中でやめてしまった場合、どうなりますか。

A:治療を途中でやめてしまうと、骨の石灰化が妨げられたままで、骨を硬くすることができません。くる病であれば下肢の変形が改善せず、大人になったときに歩行に影響が残ることもあります。また骨軟化症であれば骨の痛みや筋力低下によって歩くことができなくなるため、杖や車いすを使わなければ移動できなくなったり、ひどい場合には寝たきりになったりすることもあります。

さらに、くる病・骨軟化症ともむし歯や歯肉膿瘍になりやすくなります。

FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症を治療しない・治療を中断するとどうなるの?

Q:くる病・骨軟化症を治療してもらえる病院を探したいです。

A:くる病・骨軟化症を治療するには、専門的な医師がいる病院を受診しましょう。「」をご活用ください。

その他のご質問

Q:くる病・骨軟化症は遺伝しますか。

A:くる病・骨軟化症のなかには、X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症(XLH*)のような遺伝性の疾患があります。疾患によって遺伝する形式が異なります。

くる病・骨軟化症と遺伝

* XLH:X-linked Hypophosphatemic Rickets/Osteomalaciaの略称

Q:くる病(もしくは骨軟化症)と診断された場合、医療費がかさんでしまいそうで不安です。何か金銭的な負担を軽くできる制度はありませんか。

A:くる病・骨軟化症の中には、ビタミンD依存性くる病・骨軟化症〔小児:小児慢性特定疾病80(ビタミンD依存性くる病)、成人:指定難病239(ビタミンD依存性くる病/骨軟化症)〕やFGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症〔小児:小児慢性特定疾病82(原発性低リン血症性くる病)、成人:指定難病238(ビタミンD抵抗性くる病/骨軟化症)〕のように、指定難病として医療費の助成を受けられる疾患もあります。

それ以外の助成には、「小児慢性特定疾病医療費助成制度」(18歳未満の場合、一部例外あり)、「特定医療費(指定難病)の医療費助成制度」、高額療養費制度などがあります。それぞれご家族の所得や病気の重症度等によって助成の有無や助成額が異なりますので、詳しくは「FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症の医療費助成制度について」をご確認ください。

この記事の監修ドクター

長谷川 行洋先生

長谷川 行洋先生

  • 東京都立小児総合医療センター
  • 内分泌・代謝科 部長
伊東 伸朗 先生

伊東 伸朗先生

  • 東京大学医学部附属病院(研究室HP)
  • 腎臓・内分泌内科 助教