くる病・骨軟化症とは

くる病・骨軟化症とは、骨の石灰化(骨を硬くすること)が妨げられることによって骨の形が変わったり、痛みなどの症状が現れたりする病気です。子どもでこれらの症状がみられる場合に「くる病」、成人でみられる場合に「骨軟化症」と呼ばれます*。

*医学的には成長軟骨帯閉鎖以前に発症したケースをくる病、成長軟骨帯閉鎖後に発症したケースを骨軟化症と呼びます。骨をレントゲン写真で見たとき、成長軟骨(骨の中央部と端との間にあって成長期に伸びる部分)は他の部分と異なり黒い線のように写るため、骨端線とも呼びます。そして、骨の伸びが止まって成長軟骨が完全に石灰化して線が写らなくなった状態を成長軟骨帯閉鎖と表現します。

くる病・骨軟化症とは

骨が作られるしくみ

骨は「一度作られたらおしまい」ではなく、常に古くなった骨を壊し、新しく作り替える作業を繰り返しています。

くる病・骨軟化症とは

この新たな骨を形成していく過程で、血液中のカルシウムとリンを中心としたミネラル成分を材料として石灰化が行われ、骨は硬くて丈夫な状態になっていくのです。また、骨の形成に欠かせない栄養素としてビタミンDが挙げられます。ビタミンDには腸でのカルシウムやリンの吸収を増やし、血液中のカルシウムやリンの濃度を調節する働きがあります。

くる病・骨軟化症は、骨の石灰化がうまくいかず、骨が柔らかい状態

くる病・骨軟化症とは

くる病・骨軟化症では、ビタミンDやリンが足りなかったり、何らかの原因でビタミンDがうまく働かなかったりすることなどによって、骨の石灰化が妨げられている状態です。石灰化していない骨は「類骨るいこつ」と呼ばれ、通常と比べて柔らかくなっています。そのため骨が変形しやすくなり、弓の様に湾曲わんきょくし、痛みを伴ったりします。

くる病・骨軟化症の3つの原因と疾患

この記事の監修ドクター

長谷川 行洋先生

長谷川 行洋先生

  • 東京都立小児総合医療センター 内分泌・代謝科 医師
  • 多摩北部医療センター 小児科 医師
伊東 伸朗 先生

伊東 伸朗先生

  • 東京大学医学部附属病院(研究室HP)
  • 腎臓・内分泌内科 特任講師

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